比較の視点1:声調の有無

皆さんは、「ベトナム語と似ている言語」と聞いて、何語を思い浮かべますか?おそらく、多くの人が、「中国語」を上げるのではないかと思います。一部の言語マニアの人は、広東語(香港を中心とした地域の言葉)を上げるかもしれません。私は、広東語の事は知りませんので、今回の記事では、広東語とベトナム語の比較に関しては省略したいと思います。



声調とは、言語において意味の区別に用いる音の高低のパターンです。中国語では、四声とも言います。声調を持っている言語は、ベトナム語の他には、中国語、タイ語などがあります。声調を用いる言語を声調言語(トーン言語)と言います。

「など」と書きましたが、声調言語に関してネットで調べると、「中国語,ベトナム語,タイ語,セルボ=クロアチア語,アフリカのエフィク語,イボ語,ヨルバ語,メキシコのミシュテカ語,マサテカ語」と書いてあるのを見つけました。しかし、割と日本に身近な国でありながら、この一覧に含まれていない言語があります。ラオス語です。ラオス語は、タイ語とよく似ているので、タイ語の方言扱いでしょうか?

ですので、声調という視点からは、ベトナム語と似ているのは、中国語とタイ語(とラオス語)と言うことになります。

比較の視点2:文法構造

まず、「私は、犬が、好きです」という日本語の文を想定します。この分を、ベトナム語を含む色々な言語の語順で表した時に、語順がどうなるかを考えてみましょう。

ベトナム語
私は、好きです、犬が、

中国語
私は、好きです、犬が

タイ語
私は、好きです、犬が、

英語
私は、好きです、犬が

ベトナム語を含めて、全ての言語で、語順は、S+V+Oという点では同じです。主語+動詞+目的語です。

では、次に、「私は、あなたの、犬が、好きです」という日本語の文を想定します。「あなたの」という、犬を説明する言葉(修飾語)を加えました。

ベトナム語
私は、好きです、犬が、あなたの

中国語
私は、好きです、あなたの、犬が

タイ語
私は、好きです、犬が、あなたの

英語
私は、好きです、あなたの、犬が

この時、ベトナム語では、「あなたの」という言葉が、「犬」を後ろから説明(修飾)しています。中国語と英語では、ベトナム語と異なり、「あなたの」という言葉が、「犬」を前から説明(修飾)しています。

そして、タイ語は、ベトナム語以外では唯一、「あなたの」という言葉が、「犬」を後ろから説明(修飾)しています。

という事で、ベトナム語とタイ語は、文法構造的に似ていると言うことが分かります。

比較の視点3:語彙

では、ベトナム語とタイ語は、語彙の面ではどうでしょうか?

ベトナム語には、中国との歴史的、地理的なつながりから、中国語に由来する語彙が多くあります。例えば、高いという言葉、中国語でも、ベトナム語でも、「カーオ」になります。

また、明治期以降は、「漢越語」という形で、日本語から取り入れた言葉も多くあります。

そして、ベトナム語とタイ語は、語彙の面では、一見関係がなさそうですが、実は、共通する語彙が多くあるのです。

例えば、「猫」は、ベトナム語でも、タイ語でも、「メーオ」と言います。
「腰」は、ベトナム語でも、タイ語でも、「エーオ」と言います。

おそらく、ベトナム人もタイ人も、ずっと昔は中国の南部に住んでおり、古代の中国語の方言が変化して、ベトナム語とタイ語になったために、ベトナム語とタイ語は、「起源が共通している」と言えるのではないかと思います。

結論

ベトナム語と、文法構造、語彙、発音の全ての面で似ている言語は、タイ語

ベトナム語と似ている言語
ベトナム語と似ている言語は、タイ語