翻訳者になるための方法。翻訳スクールは必要?

    翻訳業界に関わっていますと、「翻訳者になるためには、翻訳スクールに通う、または、通信講座で翻訳講座を受講することが必要でしょうか?」という質問を受けることがあります。翻訳にも様々な仕事がありますので、あらゆる種類の翻訳に関して一概に決めつけることは出来ないと思います。ここでは、当社が関わっている実務翻訳(法務、会計、技術系の文書を企業からの依頼を受けて翻訳する仕事)に限定して述べたいと思います。「翻訳スクールは必要ありません」。翻訳スクールに唯一の価値があるとすれば、それは、「翻訳スクールは必要ない」ということを確認することです。理由は以下の通りです。

    まず、翻訳スクールの講師は、レベルの高い翻訳者ではありません。トップレベルの翻訳者は、講師をするよりも、自分で翻訳した方儲かりますし、仕事が忙しいですから、講師の仕事は受けません。また、自分のライバルとなる可能性のある生徒に、手の内を明かすこともしません。

    さらに、翻訳スクールでは、実務翻訳に必要な知識を体系的に身につけることが出来ません。理由は、「講師の質」、「授業時間の少なさ」です。例えば、法律関係の翻訳家になりたいと思うならば、レックや伊藤塾の司法試験講座を受講すべき(基礎知識を身につけるための1年目のカリキュラムだけで十分です。論文の書き方に関する講座を受講する必要はありません)であり、「法務翻訳講座」を受講してもほとんど意味はありません。

    書店には、翻訳者を夢見る方たちをターゲットした、翻訳者になるための方法を解説した本が多数ありますが、こういった本は、翻訳スクールが広告主であるということを忘れず、賢い消費者である様にしたいものです。

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